【一人旅】また道路に寝っ転がっちゃいました。

ーーー2017年 12月 14日 

Arzua~O Monte do Gozo【34km】

 

この日は私にとって特別な日だった。って言っても毎日が特別な思い出がある(ロマンチストな訳ではなく、本当に毎日が濃い)から、この日に限ったことではないんだけど。

でも最後の方にみんなで話した、“このCaminoであなたにとってのベストモーメントはいつ?”という質問に答えるとしたら、私はこの日を選ぶ。

 

Arzuaのアルベルゲで目覚めた。確か、隣の隣のベッドで寝ていたHanがゴソゴソしていて起きたんだと思う。

そういえば、寝ている最中に隣で寝ていたCeliaに蹴られたのは気のせいだったのかな?笑

 

いつも通りゆっくり支度をして一階のスペースでパンに蜂蜜をかけて食べていたらみんながだんだんと起き始めた。

クリスチャンとスンヨルはいつも早く起きる。私が蜂蜜をこぼしてわたわたしていたらクリスチャンが笑ってた。この日一日髪の毛はべたべたで、蜂蜜のにおいがした。笑

 

起きていたはずのみんなが見当たらないのでスンヨルに聞くと、向かいのBarで朝食をとっているという。私たちも行くことにしたけど、まだ私の準備が終わってなかったのでスンヨルに待ってもらいながら準備を進めた。この時に、母からディズニーの優待チケットを取れるから、ランドとシーどっちが良いかと聞かれていて、傍にいたスンヨルに、もし行けるとしたらどっちに行きたいか聞いた。この時はまさかスンヨルと一緒にディズニーに行くとは思ってなかった。笑

(Euncheに痛み止めクリームを借りに行ったり、日記を書いたり)でも日記は中々進まないので諦めて、スンヨルとエスプレッソを飲みにBarへ向かった。席に座ると向かいの席でステファンがクロワッサンを食べていた。あ~会話とか、思い出せないな。

でもマリアとBarの店員さんのやりとりは覚えている。この後ウンチェと言う女性が来るから、彼女はカフェコンレチェとトーストを頼むだろう。だから先に払う。みたいなことを言っていた。マリアの予言通り(笑)Euncheはカフェコンレチェとトーストを頼み、ラクエンタの時にマリアが払ったと聞かされ驚いていた。

私もラクエンタを済ませようとすると、スンヨルが既に払っていた。みんな先に払ってくれる日なのかな。笑

 

ステファンが席を外した後、向かいの席にはCeliaが座っていて、彼女は帰りの予定がみんなより早いから今日中にSantiagoに着きたいと言っていた。あまり長距離を歩く印象がなかったし、持病のテンドン?が悪化しないか心配だった。それにここ数日彼女とずっと歩いていたから最後まで一緒にいたかったので私も38km歩くことに二つ返事で了承した。

いいよ、38km歩こうと言ったら嬉しそうにしてくれた。

それから店員さんがここからSantiagoまでは平たんな道が続くからもう楽勝だよ、38km残ってるけどへっちゃらだよ。みたいなことを言ったらしく、マリアが今日中にSantiagoに向かうと言い始めた。レオンに行く前に私とひかるが40km歩くといったら、“Oh,Japanease Girl”なんて言ってたけど、Santiagoを目前にしてか、彼女のテンションはおかしかった。笑

そんなこんなで結局みんなでSantiagoを目指すことになった。

 

出発はゆっくりで、9時前後だった気がする。すっかり周りは明るくなっていた。

このスタート時間で38kmは無理だろうなぁと少し思っていた。

スタート時間からも分かるけどなんとなくゴールが近付いて気が緩んでいたと思う。

私も、今更気を引き締める気はなかった。笑

 

Hanと一緒に写真を撮って、歩き始める。

この頃はPortmarinの夜のことでHanとあまり話してなかった。笑

 

ああ、もうどんな道だったかところどころでしか思い出せないな。

一緒に歩いていたCeliaとの会話も思い出せない。

だけど14時ごろに着いたBarにみんなが丁度出発するところでわいわいしていたのと、

私が二人分のビールを頼みに行った時に瓶がグラスかで迷っていたらCeliaが注文を済ませてくれたのは覚えてる。

 

基本的に道中はバラバラで歩いているんだけどこの日に限ってみんながどこにいるのか

把握できない事態になっていた。

それぞれの情報(〇〇は今~しているらしいとか)を照らし合わせたり、kakaotalkから場所を推測するしかなかった。

 

17時頃に私とひかる、CeliaとHanという黄金4人組でO Pedrouzoという村にいた。Hanはこの村に既に到着しているSushimen、ステファンと合流し、Pedrouzoに滞在すると言っていた。マリアもこの村にいるという情報から私たちも彼らと合流して食事を取ることにした。入ったレストランではColaCaoを頼んだんだけど、スタッフと意志疎通が出来なかったな。笑

 

Han曰く、この村にマリアはいないしEunche達はSantiagoを目指して今も歩き続けているという。ここからSantiagoまでは18kmあるし、4時間以上歩かなければならない。そうすると、到着は早くても21時。でもCeliaは最後の夜だし、みんなと一緒のアルベルゲにいたいだろうな。うーん、絶体絶命。

結局3人に見送られ、足早に歩き始める。雨はすっかり上がって虹が出ていた。

 

歩いていると、後ろからHanが追いついた。前の村で滞在するのではなかったのかと聞くと、その予定だったけど心配だったからコリアンガイ3人組で話し合った結果Hanが一緒に着いていくことになったそうだ。

本当にみんな優しいなと思った。英語は話せないけど、本当にありがとうと伝えると緊急の時こそ自分のペースを忘れてはいけない。また足を痛めてしまうから。と言ってくれた。この時のHanは少しシリアスで、本当は前の村に滞在したかったんだろうなって思った。でもこのトラブルのおかげで私は忘れられない日がこの夜になった。

 

この日は雨が降ったりやんだり。道路は濡れていた。

Hanが、私たちが初めて出会った日は道路に寝そべって空を見たよね。と話した。

今夜の星空もきっと寝転んだら綺麗だろう。でも今日は道路は濡れている。と。

でも私は寝転んでみたいと思い気にせず寝転ぶと

みんなも結局道路に大の字になって、ヘッドライトを消して20分くらい寝転んでいた。笑

特に喋るでもなくぼーっと見上げていて、丁度目を反らしたとき私以外の3人が歓声を上げた。流れ星を見れたんだそうだ。

私が心底悔しがっているとひかるとHanが励ましてくれた。

Hanに関しては、昨日私は君たちが見た流れ星を見れなかった。昨日の私と一緒だと。

ええ?私たち4人一緒に流れ星見れたぁ!って肩を抱きながらぴょんぴょんはねて、喜んでたのに、あなた、見れてなかったんかい!と。衝撃的事実が発覚した。笑

 

そうして笑いながら丘を登ると眼前にはSantiagoの夜景が広がっていて。Celiaとひかるが“Porfin~!”って叫んでいた。感動的だった。4人で見れたのが良かった。

いつも歩くのが遅いって、最後尾を歩いていた4人で(Hanとひかると私は特に遅い)。でも私たちはその分美しい景色を長い間見ることが出来ると話していたが最後の夜もまさにその通りだった。

また雨が降り始めた。だけど全然気にならないくらい最高の気持ちだった。

 

Hanと初めてあった時、私たちは4人で歩き道路に寝転がり青空を見上げた。そして車に轢かれそうになって、“Coche!Coche!”と慌てて起きた。

Santiagoまでの最後の夜、私たちは4人で歩き道路に寝転がり星空を見上げた。そしてやっぱり、“Coche!Coche!”と慌てて起き上がった。

トラブルの続いたシチュエーションで最後の夜がこんなに特別になるとは思わなかった。

 

結局その後私たちは21時過ぎにSantiagoの1つ手前の村、O Monte do Gozoにマリアがいると分かりそこに泊まることにした。

EuncheたちはSantiagoまで歩ききり、明日の朝合流することになった。

 

アルベルゲの外からクリスチャンとマリア達を見つけ、窓越しに会話する。

ここにはマリアとクリスチャン、ジョアナ、マッシモ、エテムの5人がいた。

ひかるとHanはEuncheたちのアルベルゲまで歩く予定だったけど、時間も遅いしGozoに泊まった。

アルベルゲに入るとオスピタリオが“もっと早く来てよ、冬なんだから、分かってるでしょ”と切れていたらしい。笑

 

夜はみんなの持ち合わせで食事をしたけど、最後の最後で食料も少なく、ひっそりとした晩餐だった。Theペレグリーノの夜だね、なんてひかると話した。ひかるはこの夜が地味にお気に入りらしい。笑

 

ベッドではHanがクレデンシャルにオリジナルのセジョを書いてくれた。

あと4kmでSantiagoに着く。とても変な気分で眠りについた。